シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールとは?
シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールという成分名を聞いたことがありますか?
この成分は、水にも油にも溶ける両親媒性のエステル油剤で、化粧品によく使われています。 しかし、その役割や効果についてはあまり知られていません。
そこで今回は、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの特徴や化粧品での使い方、安全性などについて解説します。
先に結論
スキンケア品に配合される場合
- 安定的に乳化させることで、肌へのなじみを良くする。
- 角質層に浸透し、水分を保持することで、肌に潤いを与える。
ヘアケア品に配合される場合
- 髪の表面をコーティングし、キューティクルを保護する。
- 髪の主成分であるケラチンと結合し、枝毛や切れ毛を防ぐ。
スキンケアにおけるシクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの役割
この成分は、水にも油にも溶ける両親媒性の性質を持っており、乳化剤、コンディショニング剤、保湿剤、感触改良剤、油剤などとして化粧品に配合されます。特に、水溶性成分の浸透促進効果が高く、ベタつきが少なく、軽い感触の保湿剤として優れています。
また、pHの安定性も高く、常温では品質が変化しないため、一年中同じ使用感で使うことができます。
乳化効果
水と油を互いに乳化させる役割を持っています。化粧品は水性成分と油性成分で構成されていますが、これらの成分は本来混ざりません。
シクロヘキサンジカルボン酸エステルは、水と油の間に膜を作り、両者を安定的に乳化させることで、化粧品のテクスチャーをなめらかにし、肌へのなじみを良くします。
保湿効果
シクロヘキサンジカルボン酸エステルは、高い保湿力を持つ成分です。角質層に浸透し、水分を保持することで、肌をしっとりと潤います。また、肌のバリア機能を高め、外部刺激から肌を守ります。
ヘアケアにおけるシクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの役割
コンディショニング
髪の毛を柔らかくし、指通りを良くする効果があります。髪の表面をコーティングし、キューティクルを保護することで、ダメージから髪を守ります。また、静電気を抑制し、髪の毛をまとまりやすくします。
ダメージ補修
シクロヘキサンジカルボン酸エステルは、髪の内部に浸透し、ダメージを受けた部分を補修する効果があります。髪の主成分であるケラチンと結合し、髪の内部構造を強化することで、枝毛や切れ毛を防ぎます。
保湿効果
シクロヘキサンジカルボン酸エステルは、高い保湿力を持つ成分です。髪の内部に浸透し、水分を保持することで、髪をしっとりと潤います。また、頭皮にも浸透し、フケやかゆみを抑制する効果があります。
シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの化粧品での使い方
シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールは、化粧品の様々な製品に使われています。その主な用途と効果を以下に紹介します。
- クレンジング剤:ウォータープルーフのメイクアップ化粧品でも落とすことができるため、クレンジング剤に配合されます。また、肌の汚れやメイクアップ化粧品を乳化し、簡単に落とすことができます。
- スキンケア製品:有効成分の皮膚への浸透力がアップするので、機能性化粧品などにも使われます。保湿剤としても働き、肌によくなじみしっとり感を与えます。感触改良剤としても働き、べたつきがなくサラサラ感が続きます。
- ヘアケア製品:髪のケア成分をより奥まで浸透させることができるので、ダメージケア用シャンプーやトリートメントなどにも使用されます。コンディショニング剤としても働き、指通りなめらかでしっとりとまとまる髪に仕上げます。
シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールは、固形石鹸、洗顔フォーム、化粧水、乳液、美容液、パック、ピーリング、ボディケア、ハンドケア、アイケア、ファンデーション、アイライナー、マスカラなどの製品にも配合されています。
シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの安全性
シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールは、皮膚や目への刺激性はほぼないとされています。しかし、石油由来の化学合成成分なので、人によっては刺激を感じることがあります。
前に解説しましたが、多くの化粧品に使用されており、過去に問題も報告されていないことから、安全性が高い成分であるとわかります。
まとめ
シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールは、水にも油にも溶ける両親媒性のエステル油剤で、化粧品によく使われています。 その特徴は、水溶性成分の浸透促進効果が高く、ベタつきが少なく、軽い感触の保湿剤として優れていることです。
また、乳化剤、コンディショニング剤、感触改良剤、油剤などとしても働きます。化粧品での使い方は、クレンジング剤、スキンケア製品、ヘアケア製品などに多岐にわたります。
シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコールは、皮膚や目への刺激性はほぼないとされています。しかし、石油由来の化学合成成分なので、人によっては刺激を感じることがあります。
また、各種成分の浸透性を高めるため、その成分によって肌に負担がかかることがあります。使用中に異常が起きた場合は、使用を控えましょう。
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