シロキクラゲ多糖体のメカニズムから徹底解説!シロキクラゲ多糖体で叶える潤い美肌・髪!
シロキクラゲ多糖体は、シロキクラゲというキノコから抽出された植物性の多糖体です。
ヒアルロン酸と同じくムコ多糖体に属し、植物性ヒアルロン酸とも呼ばれており、高い保湿力と抗酸化作用で、美容に優れた効果を発揮します。
中国では、世界三大美女の一人である楊貴妃が美容維持のために食したとも伝えられるほど、不老不死の高級食材として珍重されてきました。
今回は、シロキクラゲ多糖体の基本情報、化粧品としての配合目的、安全性などについて解説します。
先に結論
スキンケア品に配合される場合
- 皮膚の水分蒸散を防ぎ、角層に水分を保持することで保湿効果がある。
- 塗布時のベタつき感や乾燥時のつっぱり感が少なく保湿できる。
- セラミドの合成を促進することで、皮膚の保湿力とバリア機能を向上させる
- 過酸化脂質の生成を抑制することで、抗酸化作用がある。
- グルタチオンの再生を促し、皮膚の抗酸化力を高める。
ヘアケア品に配合される場合
- 髪の内部に水分を閉じ込め、髪のパサつきやゴワつきを防ぐ。
- 髪のダメージを受けた部分を補修し、枝毛や切れ毛を防ぐ。
- 皮脂分泌を抑制することで、頭皮を清潔に保つ。
シロキクラゲ多糖体とは
シロキクラゲ多糖体は、シロキクラゲ科のシロキクラゲから得られる多糖体です。 シロキクラゲは、日本をはじめとするアジア温帯地域の広葉樹の枯れ木に分布しており、白くぷるんとした子実体を持ちます。
シロキクラゲ多糖体は、分子量が100万以上と高く、コクと高級感のある粘性と高い保湿効果があります。
水によく溶け、水溶液の感触は類似の酸性多糖であるヒアルロン酸と比較して塗布時のベタつきや乾燥時のつっぱり感の少なさを特徴としています。 グルクロン酸が含まれており、皮膚の水分保持能に重要な役割を果たす天然保湿因子の一つであり、肌になじみやすい成分です。
シロキクラゲ多糖体の配合目的とは
シロキクラゲ多糖体は、化粧品に配合される場合は、主に以下の目的で使用されます。
- 皮表水分保持による保湿作用
- ベタつき感およびつっぱり感軽減による感触改良
- 泡質改善および泡持続性増強
- セラミド合成促進による保湿・バリア改善作用
- SOD活性増強および過酸化脂質抑制による抗酸化作用
- グルタチオンレダクターゼ活性増強による抗酸化作用
皮表水分保持による保湿作用
皮表水分保持による保湿作用に関しては、シロキクラゲ多糖体が約500倍の水分を保持できることが分かっています。
また、ヒト皮膚への塗布試験では、シロキクラゲ多糖体の塗布により、角層水分保持能の指標であるコンダクタンス積分値が大きく上昇し、皮膚バリア機能の指標である水分蒸散定数も低下することが示されています。
シロキクラゲ多糖体は皮膚の水分蒸散を防ぎ、角層に水分を保持することで保湿効果を発揮します。
ベタつき感およびつっぱり感軽減による感触改良
ベタつき感およびつっぱり感軽減による感触改良に関しては、シロキクラゲ多糖体の水溶液は、ヒアルロン酸やキサンタンガムなどの高分子系保湿成分や増粘剤と比較して、塗布時のベタつき感や乾燥時のつっぱり感が少ないです。
また、これらの成分とシロキクラゲ多糖体を混合することで、ベタつき感やつっぱり感が大幅に軽減され、製品全体のべたつきが抑えられます。
シロキクラゲ多糖体がさらっとした質感でべとつきにくく、乾燥後はしっとりすべすべの感触を与えます。
泡質改善および泡持続性増強
泡質改善および泡持続性増強に関しては、シロキクラゲ多糖体が洗顔料やシャンプーなどの洗浄剤に配合されると、泡の量や質がよくなり、さらに持続力もでます。
また、洗浄後の皮膚や毛髪の水分量を増加させます。 シロキクラゲ多糖体が洗浄時の使用感や洗浄後の肌や髪の状態を改善します。
セラミド合成促進による保湿・バリア改善作用
セラミド合成促進による保湿・バリア改善作用があり、シロキクラゲ多糖体はヒト角化細胞のセラミド合成を促進します。
セラミドは、角層細胞間の脂質層を構成する主要成分であり、皮膚の水分保持能やバリア機能に重要な役割を果たします。セラミドの減少は、乾燥肌や敏感肌の原因となります。
シロキクラゲ多糖体がセラミドの合成を促進することで、皮膚の保湿力とバリア機能を向上させることができます。
SOD活性増強および過酸化脂質抑制による抗酸化作用
SOD活性増強および過酸化脂質抑制による抗酸化作用に関しては、シロキクラゲ多糖体がヒト角化細胞のSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)活性を増強し、過酸化脂質の生成を抑制することが報告されています。
シロキクラゲ多糖体がSOD活性を増強し、過酸化脂質の生成を抑制することで、皮膚の抗酸化力と健康状態を改善することができます。
グルタチオンレダクターゼ活性増強による抗酸化作用
グルタチオンレダクターゼ活性増強による抗酸化作用に関しては、シロキクラゲ多糖体がヒト角化細胞のグルタチオンレダクターゼ(GR)活性を増強させます。
グルタチオンという抗酸化物質の還元を促進する酵素であり、皮膚の酸化ストレスに対する防御に重要な役割を果たします。 シロキクラゲ多糖体がGR活性を増強することで、グルタチオンの再生を促し、皮膚の抗酸化力を高めることができます。
ヘアケアにおけるシロキクラゲ多糖体の役割
ダメージヘアをいたわり、潤いを与える
シロキクラゲ多糖体のダメージ補修効果は、以下の3つのメカニズムによって実現されています。
- 浸透力 分子量が非常に小さく、髪の内部を軽やかに浸透します。髪の内部は、キューティクルやコルテックス、メデュラと呼ばれる層で構成されています。この内部に浸透し、ダメージを受けた髪細胞をケアします。
- キューティクル補修 キューティクルと呼ばれる髪の表面を覆う膜を補修する働きがあります。キューティクルは、髪を外部刺激から守る役割を担っていますが、ダメージを受けると剥がれ落ちてしまいます。この剥がれたキューティクルを補修することで、髪のパサつきやゴワつきを防ぎ、ツヤとハリのある髪へと導きます。
- 毛髪内部補修 コルテックスと呼ばれる髪の内部構造を補修する働きがあります。コルテックスは、髪の弾力や強度を維持する重要な役割を担っていますが、ダメージを受けると空洞化してしまいます。この空洞化を補修することで、髪の弾力や強度を回復し、枝毛や切れ毛を防ぎます。
保湿効果:髪を柔らかく扱いやすく
シロキクラゲ多糖体の保湿効果は、以下の2つのメカニズムによって実現されています。
- 水分保持 髪内部に水分を保持する働きがあります。髪は、水分が失われると乾燥し、パサつきやゴワつき、枝毛の原因となります。この水分を保持することで、髪を柔らかく扱いやすくし、指通りの良い髪へと導きます。
- 保湿膜形成 シロキクラゲ多糖体は、髪の表面に保湿膜を形成し、水分蒸発を防ぎます。この保湿膜は、髪を覆い、まるでラップのように水分を閉じ込めます。
頭皮環境を整え、健やかな髪を育む
シロキクラゲ多糖体の頭皮環境改善効果は、以下のメカニズムによって実現されています。
- 抗炎症作用 フケやかゆみ、炎症などの頭皮トラブルの原因となる炎症を抑える働きがあります。頭皮が炎症を起こすと、髪の毛の成長に必要な栄養素が行き渡らなくなり、抜け毛や薄毛の原因となります。この炎症を抑えることで、頭皮環境を整え、健やかな髪を育てる土台を作ります。
- 皮脂分泌抑制 皮脂の分泌を抑制する働きがあります。皮脂が過剰に分泌されると、頭皮がベタつき、ニキビや抜け毛の原因となります。この皮脂分泌を抑制することで、頭皮を清潔に保ち、健康な状態へと導きます。
シロキクラゲ多糖体の安全性
シロキクラゲ多糖体の安全性に関しては、国際化粧品原料標準化会議(INCI)において、シロキクラゲ多糖体は「Tremella Fuciformis Polysaccharide」という名称で登録されており、化粧品に安全に使用できる成分として認められています。
また、日本では、シロキクラゲ多糖体は食品添加物としても認可されており、食用としても安全性が確認されています。 シロキクラゲ多糖体は、皮膚刺激性やアレルギー性を有しないことが動物実験やヒトパッチテストによって示されています。
これらの結果から、シロキクラゲ多糖体は、皮膚に対して安全で低刺激性の成分です。
まとめ
シロキクラゲ多糖体は、シロキクラゲというキノコから抽出された植物性の多糖体で、植物性ヒアルロン酸とも呼ばれています。
この成分は、高い保湿力と抗酸化作用を持ち、美容に優れた効果を発揮します。
化粧品に配合される場合は、皮表水分保持による保湿作用、ベタつき感およびつっぱり感軽減による感触改良、泡質改善および泡持続性増強、セラミド合成促進による保湿・バリア改善作用、SOD活性増強および過酸化脂質抑制による抗酸化作用、グルタチオンレダクターゼ活性増強による抗酸化作用などの目的で使用されます。
また、シロキクラゲ多糖体は、国際的にも化粧品に安全に使用できる成分として認められており、皮膚刺激性やアレルギー性を有しないことが確認されています。
シロキクラゲ多糖体は、高い保湿力と抗酸化作用を持つ美容に優れた植物性ヒアルロン酸ですので、是非探してみて下さい。
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