ステアレス-20は化粧品に欠かせない成分!その驚くべき効果と安全性とは!
今回は、ステアレス-20の基本情報、化粧品としての配合目的、安全性評価について、詳しく解説します
ステアレス-20とは
ステアレス-20とは、ステアリルアルコールに酸化エチレンをエーテル結合させて得られるエーテルで、酸化エチレン縮合型のポリオキシエチレンアルキルエーテルに分類される非イオン性界面活性剤です。
非イオン性界面活性剤とは、水と油の界面に吸着して、水と油の混ざりにくさを低下させる物質のことです。
非イオン性とは、電気的に中性であることを意味します。
非イオン性界面活性剤は、水と油の両方に親和性があり、温度やpHに影響されにくいという特徴があります。
ステアレス-20は、酸化エチレンの付加モル数が約20で、HLB(親水親油バランス)は13.0から18.0という値を持ちます。
HLBとは、界面活性剤の水と油への親和性の程度を表す指標で、0から20までの値を取ります。0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高くなります。
ステアレス-20は、HLBが高いので、親水性が強いと言えます。
ステアレス-20の化粧品としての配合目的
ステアレス-20は、化粧品に配合される場合は、主に親水性乳化剤として使用されます。
親水性乳化剤とは、水を外部相とし、その中に油が微細粒子状に分散しているO/W型(水中油滴型)のエマルションを形成する界面活性剤のことです。
O/W型エマルションは、水分が多く、さっぱりとした感触が特徴です。
また、水溶性の成分を多く配合できるという利点があります。
ステアレス-20は、O/W型エマルションを安定化する効果があり、比較的乳化が難しい活性成分も安定乳化できるという特徴があります。
ステアレス-20は、メイクアップ製品、コンシーラー製品、スキンケア製品、マスク製品、ボディケア製品、ハンドケア製品、クレンジング製品、ヘアスタイリング製品などに使用されています。ステアレス-20が配合された化粧品は、以下のような効果が期待できます。
- 水分を保持し、肌に潤いを与える
- 油分をコントロールし、肌にさっぱりとした感触を与える
- 水溶性の美容成分を浸透させる
- 乳化が不安定な成分を安定化させる
ステアレス-20の安全性評価
ステアレス-20の安全性については、国際的な化粧品成分の安全性評価機関であるCIR(Cosmetic Ingredient Review)が2010年に報告しています。
CIRは、ステアレス-20を含むポリオキシエチレンアルキルエーテル類について、以下のような評価を行っています。
- 皮膚刺激性および皮膚感作性(アレルギー性)は低い
- 眼刺激性は低いから中程度
- 経口摂取による毒性は低い
- 発がん性や変異原性はない
- 生殖毒性や発生毒性はない
CIRは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類は、現在の使用濃度や使用方法では、化粧品に使用しても安全であると結論付けています。
また、日本の化粧品の安全性評価機関であるJSCI(Japan Cosmetic Industry Association)も、ステアレス-20を含むポリオキシエチレンアルキルエーテル類について、安全性に問題はないとしています。
まとめ
ステアレス-20は、酸化エチレンをエーテル結合させた非イオン性界面活性剤で、親水性乳化剤として化粧品に配合されています。
ステアレス-20は、O/W型エマルションを安定化する効果があり、水分を保持し、肌に潤いを与えるとともに、油分をコントロールし、肌にさっぱりとした感触を与えます。
また、水溶性の美容成分を浸透させることができます。
さらに、乳化が不安定な成分も安定化できるので、高機能な化粧品にも適しています。
コメント