デシルグルコシドは優れた洗浄力と低刺激性を兼ね備えた界面活性剤!化粧品に配合される理由とは!
シャンプーやボディソープ、クレンジングなどによく使われる成分、デシルグルコシドについて解説します。
デシルグルコシドは穏やかな洗浄力と高い保湿力を持ったマイルドな非イオン性界面活性剤です。ベビーシャンプーや敏感肌用スキンケア製品などに使用されていることが多いです。
先に結論
スキンケア品に配合される場合
- 皮脂や汚れを包み込み、浮かせて洗い流す。
- 刺激が非常に少なく、敏感肌の方でも安心して使用できる。
ヘアケア品に配合される場合
- 頭皮や髪についた皮脂や汚れを包み込み、浮かせて洗い流す。
- 髪のキューティクルを保護し、髪のダメージを防止する。
- 保湿力も兼ね備えており、洗い流す際にも必要な潤いを髪に残す。
デシルグルコシドとは何か?
デシルグルコシドとは、デシルアルコールとグルコースポリマーを縮合して得られる物質で、非イオン性界面活性剤(ノニオン界面活性剤)に分類されます。
界面活性剤とは、水と油の間に入り込んで両者を混ぜやすくする物質のことで、洗浄や乳化などの効果を持ちます。
デシルグルコシドは、泡立ちやすく、すすぎやすいという特徴があります。また、皮膚に対して低刺激性でありながら、高い脱脂力を持ちます。 これらの理由から、洗浄目的で主にシャンプーやボディソープ、洗顔料、クレンジングなどに配合されています。
デシルグルコシドの効果・効能は?
デシルグルコシドには、以下のような効果・効能が期待できます。
- 洗浄力:デシルグルコシドは、水と油の間に入り込んで汚れを浮かせることで、皮膚や髪の毛の汚れを落とします。また、泡立ちやすく、すすぎやすいことで、洗浄の効率を高めます。
- 低刺激性:デシルグルコシドは、非イオン性界面活性剤であるため、皮膚のpHに影響を与えにくく、皮膚のバリア機能を保護します。また、皮膚や眼に対する刺激性やアレルギー性がほとんどないことが報告されています。
- 環境負荷低減:デシルグルコシドは、糖類を主原料につくられるため、生分解性が高く、環境に優しいと言われています。また、動物実験による毒性や発がん性も認められていません。
スキンケアにおけるデシルグルコシドの役割とは
優しい洗浄効果
毛穴の奥に入り込んだ皮脂やメイク汚れなどを、肌に負担をかけることなくしっかりと落とします。肌の表面を覆うバリア機能を持つ細胞間脂質を必要な量残し、潤いを守ります。
洗浄力と低刺激性の両立
洗浄力が高いですが、肌への刺激が少ないのが特徴です。ベビー用の製品にもよく使用され、敏感肌の方でも安心して使えます。
乳化効果
化粧水や乳液、クリームなどの基礎化粧品において、油分と水分を均一に乳化させ、なめらかなテクスチャーと使用感を実現します。
ヘアケアにおけるデシルグルコシドの役割とは
優しい洗浄効果
毛髪に付着した皮脂汚れや古い角質を穏やかに洗い落とします。洗浄力が強すぎる界面活性剤とは異なり、必要な皮脂までは取り除かないため、頭皮の乾燥を防ぎ、フケやかゆみなどのトラブルを抑制する効果が期待できます。
毛髪ダメージを抑える
デシルグルコシドは、毛髪の表面にあるキューティクルを傷つけにくいという特徴があります。キューティクルは毛髪を保護する役割を担っているため、ダメージを受けると髪が乾燥したり、パサついたり、枝毛切れを起こしやすくなります。
保湿効果
洗浄力だけでなく保湿力も兼ね備えており、洗い流す際にも必要な潤いを髪に残すことができます。乾燥しがちな髪や、ダメージヘアの方にもおすすめです。頭皮の乾燥は、フケやかゆみ、抜け毛の原因となります。
その他の作用
・きめ細かく豊かな泡立ちにすることで、洗いムラを防ぎ、コンディショニング効果を高める効果もあります。
・洗い上がりの髪を指通り良くし、静電気の発生を抑える効果も期待できます。
デシルグルコシドの安全性は?
デシルグルコシドの安全性については、以下のようなデータがあります。
- 医薬部外品原料規格2021に収載:デシルグルコシドは、外原規2021規格の基準を満たした成分が収載される医薬部外品原料規格2021に収載されています。これは、品質や安全性が確保されていることを示すものです。
- 20年以上の使用実績:デシルグルコシドは、1990年代から化粧品に配合されており、20年以上の使用実績があります。その間、重大な副作用や安全性問題の報告はありません。
- 皮膚刺激性・皮膚感作性:デシルグルコシドは、健常皮膚やアトピー性皮膚炎を有する人に対して、パッチテストやHRIPT(皮膚刺激性・皮膚感作性試験)を行ったところ、いずれの場合も皮膚刺激や皮膚感作反応はみられなかったという報告があります。
- 眼刺激性:デシルグルコシドは、ウサギの眼に直接投与したところ、わずかな眼刺激がみられたという報告があります。しかし、人の眼に対する刺激性は低いと考えられます。
- タンパク質変性:デシルグルコシドは、皮膚のタンパク質を変性させることがないという報告があります。タンパク質変性は、皮膚のバリア機能を低下させることにつながります。
- 皮膚のアミノ酸および脂質の溶出:デシルグルコシドは、皮膚のアミノ酸や脂質を溶出させることが少ないという報告があります。アミノ酸や脂質は、皮膚の保湿や弾力に重要な役割を果たします。
以上のことから、デシルグルコシドは、化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。
まとめ
デシルグルコシドは、優れた洗浄力と低刺激性を兼ね備えた界面活性剤で、シャンプーやボディソープ、クレンジングなどに配合されています。
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