初級化粧品成分解説【パラベン】とは

化粧品成分

パラベンは化粧品に必要なのか?【安全性を解説!】

化粧品によく使われる防腐剤の一種であるパラベンについて、そのメリットとデメリット、安全性について解説します!

先に結論

スキンケア品に配合される場合

菌を殺菌、繁殖を抑えて安全性を高める。

歴史が長く、安くて効果が高い成分です。防腐剤の中では、最も利用されることが多いですね。

 

ヘアケア品に配合される場合

菌を殺菌、繁殖を抑えて安全性を高める。
 

パラベンとは?

パラベンとは、パラオキシ安息香酸エステルという成分の総称で、化粧品や医薬品、食品などに防腐剤として使用されています。

パラベンは、微生物に対して強い殺菌効果を持ち、製品の安全性と品質を守るために必要な成分です。

パラベンには、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなど、いくつかの種類があります。

これらのパラベンは、赤い果実やニンジン、ローヤルゼリーなどに自然に含まれている成分でもあります。

パラベンのメリット

パラベンのメリットは、以下の通りです。

  • 人体に対する毒性が低い
  • 広いpH範囲で効果がある
  • 様々な微生物に対して活性が高い
  • 使用量に対してコストが低い
  • 80年以上の歴史がある

パラベンは、人体に対する毒性が低く、アレルギー反応や皮膚刺激を起こす可能性も低いとされています。

また、パラベンは、強酸性から弱アルカリ性までの広いpH範囲で効果を発揮し、カビや酵母などの様々な微生物に対して相対的に高い殺菌効果を持っています。

さらに、パラベンは、他の防腐剤に比べて使用量が少なくて済み、価格が安くできるというメリットがあります。

パラベンは、1934年にスイス薬局方に、1947年に米国薬局方に認可されて以来、80年以上にわたって化粧品に使用されており、その安全性は多くの研究によって確認されています。

 

パラベンのデメリット

パラベンのデメリットは、以下の通りです。

  • 内分泌かく乱物質であると疑われている
  • がんの原因になると疑われている
  • 環境への影響が懸念されている

パラベンは、エストロゲンという女性ホルモンに似た作用を持つという研究があり、内分泌かく乱物質であると疑われています 。

内分泌かく乱物質とは、人や動物のホルモンバランスを乱し、生殖機能や発育に影響を与える可能性がある物質のことです。しかし、パラベンの内分泌かく乱の活性は、その分子構造の長さとともに増加することがわかっており、より長い構造を持つパラベン(ブチルパラベンやプロピルパラベン)はより強い活性を持ちますが、より短い構造を持つパラベン(メチルパラベンやエチルパラベン)は非常に低い活性を持ち、より安全であると考えられています。

また、パラベンは、がんの原因になるという疑いもあります。パラベンは、紫外線によって活性酸素を発生させることがあり、これが細胞のDNAにダメージを与えることがあるという説があります。しかし、すべてのパラベンにおいて、化粧品の法規制内の使用によるがんの増加は報告されていません。

さらに、パラベンは、環境への影響が懸念されています。パラベンは、化粧品から排水に流れ出し、下水処理場で分解されずに河川や海に流れ込むことがあります。パラベンは、水生生物のホルモンバランスを乱すことがあり、生態系に影響を与える可能性があります。

 

パラベンの安全性について

パラベンは、化粧品に必要な防腐剤の一種であり、製品の安全性と品質を守るために使用されています。パラベンは、人体に対する毒性が低く、多くの研究によって安全性が確認されています。

私の考え方としては悪い成分ではないが避けれるなら避けた方が良い成分です。同じく化粧品に配合される防腐効果のある成分として、フェノキシエタノールありますが、私が製品開発を行うときにはこちらを使用し、パラベンフリーで製造を行います。

 

パラベンフリー化粧品とは?

パラベンフリー化粧品とは、パラベンを一切使用していない化粧品のことです。

パラベンフリー化粧品は、パラベンに対してアレルギーがある人や、パラベンの安全性に不安を感じる人にとって、安心して使用できる化粧品です。

まとめ

パラベンは、化粧品に必要な防腐剤の一種であり、人体に対する毒性が低く、多くの研究によって安全性が確認されています。

しかし、パラベンには、内分泌かく乱やがんの原因になるという疑いや、環境への影響というデメリットもあります。パラベンの安全性については、今後もさらなる研究が必要です。

パラベンフリー化粧品は、パラベンに対してアレルギーがある人や、パラベンの安全性に不安を感じる人にとって、安心して使用できる化粧品です。

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