フェノキシエタノールの効果と安全性について解説!
今回は、化粧品によく使われる防腐剤の一種であるフェノキシエタノールについて、その効果と安全性について解説します。
先に結論
スキンケア品に配合される場合

よくパラベンと比べられますが、こちらの方が安全性が高い成分となります。
ヘアケア品に配合される場合
フェノキシエタノールとは?
フェノキシエタノールとは、フェノールとエチレングリコールという二つの成分がエーテル結合したものです。
自然界にも存在する成分で、日本茶の一種である玉露の香りの成分としても知られています。
フェノキシエタノールの効果は?
フェノキシエタノールは、化粧品に配合される場合は、主に防腐剤として配合されます。
防腐剤とは、化粧品に雑菌が繁殖したり、腐敗したりするのを防ぐために添加される成分のことです。
化粧品は、水分や油分を含む液体やクリーム状のものが多く、保存状態によっては雑菌が繁殖しやすい環境です。雑菌が繁殖すると、化粧品の品質が低下したり、肌に刺激やアレルギーを引き起こしたりする可能性があります。そこで、フェノキシエタノールのような防腐剤が必要となります。
フェノキシエタノールには、菌の繁殖を抑える効果だけでなく、殺菌効果もあります。化粧品に雑菌が入り込んでしまったとしても、フェノキシエタノールが効果的に殺菌し、化粧品の腐敗を未然に防ぎます。
特に、グラム陰性菌という種類の菌に対しては、高い抗菌活性を示します。グラム陰性菌とは、緑膿菌や大腸菌などのように、人体に感染すると炎症や感染症を引き起こす菌のことです。
フェノキシエタノールは、このような菌に対しても有効に働くので、化粧品の安全性を高めることができます。
フェノキシエタノールの安全性は?
フェノキシエタノールは、防腐剤として多くの化粧品に採用される成分ですが、その安全性についてはどうなのでしょうか?
先に結論を言うと、まったく問題ない安全な成分です。
化粧品に配合される場合は、一定の濃度以下でしか使用されていません。日本では、粘膜に使用されることがない化粧品の場合は、最大1.0%まで、粘膜に使用されることがある化粧品の場合は、最大0.5%までという配合制限があります。
これは、フェノキシエタノールの殺菌効果が強いため、大量に使用すると皮膚や粘膜に刺激を与える可能性があるからです。しかし、配合制限内であれば、フェノキシエタノールは安全に使用できます。
まとめ
フェノキシエタノールは、化粧品に配合される防腐剤の一種で、グラム陰性菌やカビに対して高い抗菌活性を持ちます。
しかし、殺菌効果が強いため、過剰に使用すると皮膚刺激やアレルギーの原因になる可能性があるため、化粧品には一定の濃度以下でしか配合されていません。
また同じように防腐剤として配合されるパラベンといった成分がありますが、フェノキシエタノールの方が安全性が高いです。

実際に開発をするときにはパラベンを使用せず、フェノキシエタノールを使い、パラベンフリーの化粧品を作っていました。
フェノキシエタノールは、化粧品に必要な防腐剤の一つです。
化粧品の成分表示を見るときは、フェノキシエタノールが含まれているかどうかもチェックしてみてください。
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