初級化粧品成分解説【ミリスチン酸イソプロピル】とは

化粧品成分

ミリスチン酸イソプロピルが化粧品にもたらす効果とは

ミリスチン酸イソプロピルとは、ヤシ油やパーム核油から得られるミリスチン酸とイソプロパノールというアルコールの化合物で、無色透明な液体の物質です。

先に結論

スキンケア品に配合される場合

  • 肌表面を滑らかにし、なめらかな感触を与える。
  • 他のスキンケア成分を、皮膚の奥深くまで浸透させる。
  • 油性成分同士でも相性の悪い異なる成分を混ぜさせる。
油ですが、重くならずさっぱりとしています。
 

ヘアケア品に配合される場合

  • キューティクルの乱れを整えることで、髪のパサつきやゴワつきを抑える。
  • 髪を重くすることなく、サラサラとした仕上がりにする。
  • 他のヘアケア成分を、髪の内側まで浸透させる。
ツヤを出しながらも、重くならずさらっとした使用感となります。
 

ミリスチン酸イソプロピルの化粧品への配合目的

ミリスチン酸イソプロピルは、化粧品に以下のような目的で配合されます。

  • 混和剤:ミリスチン酸イソプロピルは、相溶性の低い油性成分同士を安定に混ぜ合わせることができます。例えば、鉱物油と植物油を混ぜると、分離してしまいますが、ミリスチン酸イソプロピルを加えると、分離しなくなります。これにより、化粧品の品質を均一にし、安定させることができます。
  • エモリエント剤:ミリスチン酸イソプロピルは、油性感の少ないさらっとした感触をもちます。クリームや乳液の油性基剤として配合することで、皮膚に柔軟性や滑らかさを付与するエモリエント性を有しています。また、ヘアケア製品に配合することで、頭髪にも潤いやツヤを与えます。
  • 溶剤:ミリスチン酸イソプロピルは、溶剤性に優れ、色素成分や香料などを均一に溶かし込むことができます。これにより、メイクアップ製品の発色や香りを向上させることができます。

 

スキンケアにおけるミリスチン酸イソプロピルの役割

ミリスチン酸イソプロピルは、化粧品や医薬品の原料としてよく使用されるエステル化合物です。スキンケア製品では、主に以下の役割を果たします。

エモリエント効果 肌表面を滑らかにし、なめらかな感触を与えます。皮膚のバリア機能を強化し、水分を保持するのに役立ちます。また、乾燥や肌荒れを防ぎ、肌を柔らかくしっとりとした状態に保ちます。

浸透性 皮膚への浸透性が高いのが特徴です。そのため、他のスキンケア成分と一緒に使用すると、それらの成分が皮膚の奥深くまで浸透するのを助けます。

 

ヘアケアにおけるミリスチン酸イソプロピルの役割

ヘアケア製品において、ミリスチン酸イソプロピルは主に以下の役割を果たします。

コンディショニング効果 髪を柔らかくし、なめらかにするコンディショニング効果があります。髪の表面を滑らかにコーティングし、キューティクルの乱れを整えることで、髪のパサつきやゴワつきを抑えます。また、静電気の発生を防ぎ、髪にツヤを与える効果も期待できます。

軽い使用感 ベタつきにくい軽い使用感の油剤です。そのため、髪を重くすることなく、サラサラとした仕上がりにすることができます。特に、オイリーヘアの方や、夏場など汗をかきやすい時期でも使いやすい成分です。

浸透性 頭皮や髪への浸透性が高いのが特徴です。そのため、他のヘアケア成分と一緒に使用すると、それらの成分が髪の内側まで浸透するのを助けます。

その他 ヘアスタイリング剤やヘアワックスなどの製品にも使用されています。ヘアスタイリング剤では、髪をスタイリングしやすくするのに役立ち、ヘアワックスでは、髪に束感やツヤを与えるのに役立ちます。

 

ミリスチン酸イソプロピルの安全性

ミリスチン酸イソプロピルは、医薬品添加物規格や医薬部外品原料規格に収載されており、40年以上の使用実績があります。

また、皮膚刺激性や皮膚感作性、眼刺激性、光毒性や光感作性などの安全性試験の結果、ほとんどなしから最小限の範囲であることが報告されています。

化粧品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。

 

まとめ

ミリスチン酸イソプロピルは、化粧品に混和剤、エモリエント剤、溶剤として配合される成分で、化粧品の品質や効果を高める役割を果たしています。

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