初級化粧品成分解説【DPG】とは

化粧品成分

DPGとは、ジプロピレングリコールの略で、保湿剤として広く使われている成分です。

スキンケアやヘアケア成分として広く使われる「DPG(ジプロピレングリコール)」は保湿効果や防腐効果など、様々な役割を持つ万能選手として、多くの化粧品に配合されています。

DPGってどんな成分なの?どんな効果があるの?安全性は大丈夫? 今回はDPGについて解説します。

 

先に結論

スキンケア品に配合される場合

  • 角層の水分量を増加させ、皮膚の乾燥やひび割れ、肌荒れの予防や改善する。
  • TEWL抑制によるバリア改善作用。
  • 菌の繁殖を抑制する。
化粧品の保湿の基本といっても良いと思います。べたつきが少なく、安全性も高いため積極的に使用したい成分です。
 

ヘアケア品に配合される場合

  • 髪の内部に浸透し、水分を保持する。
  • 髪の表面を覆うキューティクルを保護し、ツヤのある髪にする。
  • 水分量を適度に保ち、髪をコーティングすることで静電気を防止する。
乾燥しがちな季節や、熱ダメージによる静電気から髪を守り、サラサラでまとまりのある美しい髪となります。
 

DPGとは

DPGは、グリコールの一種で、水やアルコール、油脂などと親和性が高く、ベタつきが少ないことから多くの化粧品に使用されている保湿剤です。

非常に高い吸湿性と保水性が最大の特徴です。DPGは、無色無臭で水に比べて沸点がとても高く、凝固点が低いのも特徴です。

そのため、化粧品以外にも、不凍液や冷媒、食品や医薬品などにも広く用いられている成分です。

 

スキンケアにおけるDPGの役割とは

DPGには、以下のような効果が期待されています。

  • 皮表の柔軟化や水分量増加による保湿作用
  • TEWL抑制によるバリア改善作用
  • 抗菌・防腐による製品安定化作用

 

それぞれの効果について詳しく見ていきましょう。

皮表の柔軟化や水分量増加による保湿作用
DPGは、吸湿性があり、ベタつきの少ない使用感を付与するとともに角層に浸透し、ケラチンと水分子との間で仲介役を果たすことで保湿性を発揮します。角層の水分量を増加させることで、皮膚の乾燥やひび割れ、肌荒れの予防や改善に役立ちます。

TEWL抑制によるバリア改善作用
TEWL(Transepidermal Water Loss)とは、経皮水分蒸散のことで、水分蒸散を減少させることで、肌のバリア機能を改善します。TEWLは、肌のバリア機能の指標とされており、TEWLが高いと、肌のバリア機能が低下し、乾燥や炎症のリスクが高まります​。

防腐効果
DPGは、菌の繁殖を抑制する効果があるため、防腐剤として配合されることもあります。パラベンなどの防腐剤の使用量を減らすことができるため、敏感肌向けの化粧品に使用されます。

 

ヘアケアにおけるDPGの役割とは

髪の保湿
DPGは、髪の内部に浸透し、水分を保持する働きがあります。具体的には、以下の3つのメカニズムで髪を保湿します。

  • 水分の蒸発を防ぐ:DPGは、髪の表面に薄い膜を作り、水分が蒸発するのを防ぎます。ドライヤーやヘアアイロンなどの熱ダメージによる乾燥を防ぐ効果も期待できます。
  • 角質層のバリア機能を強化する:DPGは、髪のキューティクルを保護し、外部刺激から髪を守ります。キューティクルが剥がれると、髪内部の水分が流出しやすくなるため、バリア機能の強化は重要です。
  • 髪内部の水分バランスを整える:DPGは、髪の内部に水分を補給し、水分量を適度に保ちます。髪が乾燥すると、パサつきやゴワつき、枝毛などの原因となります。

 

髪のツヤを与える
DPGは、髪の表面を覆うキューティクルを保護し、剥がれにくくします。キューティクルは、髪のツヤや手触りを左右する重要な役割を果たしています。さらに、髪の表面の凹凸を滑らかにし、光が均一に反射する状態を作ります。髪表面が滑らかになると、光沢が増し、ツヤのある髪となります。

静電気防止
DPGは、髪の内部に水分を補給し、水分量を適度に保ちます。髪が乾燥すると摩擦が大きくなり、静電気が発生しやすくなります。また、髪の表面をコーティングすることでも髪の摩擦を減らし、静電気を防止します。

 

DPGの安全性

DPGの安全性としては、医薬品添加物規格2018に収載されているほか、医薬部外品原料規格2006に収載されていることからも、高い安全性が認められています。

また、50年以上の使用実績があり、安全性が高い成分です。

特に安全性について気にする成分ではありませんので、安心して使用して下さい。
 

まとめ

DPGは、保湿剤として優れた効果を持つ成分であり、皮膚の水分量を増加させることで、乾燥や肌荒れを防ぎます。

また、肌表面の水分蒸発を抑制することで、肌バリアを改善します。さらに抗菌・防腐効果により、製品の安定化にも貢献します。

DPGを配合した化粧品は、乾燥肌や敏感肌、アトピー肌などの肌トラブルに悩む方にもおすすめです。

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