初心者でも化粧品を選べるようになる、化粧品全成分表示の読み方とは?
化粧品選びに迷っていませんか?
化粧品を選ぶ1つの基準として、裏面の成分表示を確認するという方法があります。
なぜなら裏面の成分表示には、配合されているすべての成分を表示することが法律で義務付けられています。
店頭に並ぶ美しいパッケージ、どれも魅力的に見えるけれど、本当に自分の肌に合うのか、何を基準に選べばいいのか不安になっていませんか?
聞き慣れない言葉も多く出てきて、読みにくいかもしれませんが、化粧品は合わないものを使うと思わぬトラブルが発生してしまうこともあります。
あなたの肌の為にしっかりと読んでいただけると嬉しいです。
先に結論
- 成分は配合が多い順に並んでいる。
- 配合量が1%以下の成分は順不同でも良い。
- ベース成分、有用成分、その他成分を理解する。
- 製品紹介部分の数値を見る。(5%配合など)
- やっぱり有用成分は多い方が良いものが多い。
➡異常を感じたらすぐに使用をやめる。
私たちが確認できる数少ない情報です。雰囲気だけでもつかんでおきましょう。
化粧品の成分表示のルール
化粧品の成分表示については、ただ書いていれば良いのではなく、すべての製品でルールに基づいて記載されています。
- 全成分表示: 含まれるすべての成分を、容器または箱に表示すること。
- 表示順序: 成分は配合量が多い順に記載すること。配合量が1%以下の成分や着色剤については、順不同で記載しても良い。
- 成分名: 成分名は、日本化粧品工業連合会が作成した「化粧品の成分表示名称リスト」に記載されている名称を使用する。
- 表示方法: 成分表示は、消費者が容易に確認できる場所に、明瞭かつ読みやすい字体と大きさで記載すること。
ここで分かってほしいこととしては、1%と0.0001%の配合量の違いは私たちには分からないということです。
製品の中身については開発側のメーカーしかわかりません。
表示順序について理解していくと、化粧品選びに失敗がなくなります。
化粧品の構成はベース成分と有用成分
成分の種類についてはいろいろな分け方がありますが、今回は皆さんが製品を選ぶ際に見ることを踏まえて種類分けしていきます。
- ベース成分
- 有用成分
- その他成分
ベース成分が使用感を決める
ベース成分を簡単に分けると「水」か「油」か「界面活性剤」に分類されます。
この成分の組み合わせによって「保湿力」「持続力」「刺激性」が決まります。
水、エタノール、温泉水、リンゴ水など
多くの化粧品は有用成分を溶かす(溶媒)為に、水が主に使用されています。
培養液や植物エキス水などを使用して、美容効果を高めている製品もあります。
ホホバオイル、シリコーン、ミネラルオイルなど
クレンジングやヘアオイルのベース成分として使用されています。
ラウリル・ラウレス●●、ココイル●●、ラウロイル●●、オレフィン●●など
洗顔やシャンプーのベース成分として使用されます。
乳液やクリームにも水と油を混ぜるために少量ですが使用されています。
刺激のある成分ですので、自分にあうものを選べるようにしておきましょう。
シャンプーや洗顔料はベース成分で刺激性が大きくかわるので注目してください。
有用成分で肌悩みをケア(機能性成分)
私は有用成分や美容成分と呼んでいますが、機能性成分と呼ばれていることもあります。
肌悩みを解消する成分のことで、保湿や洗浄など様々な目的があります。
グリセリン、BG、コラーゲン、植物エキスなど
化粧水やクリームに配合されている成分でスキンケアの基本です。
ラウリル・ラウレス●●、ココイル●●、ラウロイル●●、オレフィン●●など
洗顔、シャンプーに配合されている成分です。
成分によって大きく刺激性に違いがあるので、注意して確認してください。
レチノール、ビタミンC、ナイアシンアミド、アルブチンなど
悩みを解消するために配合されている成分です。
保湿成分とこちらの成分の組み合わせで、それぞれの化粧品が作られています。
製品の1番の特徴になる部分です。
その他成分
化粧品には他にも以下のような成分も配合されていて、こちらも成分表に記載されます。
パラベン、フェノキシエタノールなど
化粧品に菌が発生するのを防ぎ、安定性を保ちます。
クエン酸、トコフェロールなど
製品を安定化させ、保存できる期間を延長させています。
カルボマー、キサンタンガムなど
液が垂れたりしないように、使いやすくするために配合されています。
ラウリル・ラウレス●●、ココイル●●、ラウロイル●●、オレフィン●●など
水と油を混ぜる(乳化させる)ために使用される。
乳液やクリームを作るために必要です。
香料は主に製品の香り付けのために使用されますが、その他成分の成分由来のにおいを消すためにも使用されます。
着色料は主にメイク品に使用されますが、一部シャンプーやヘアオイルなど、色のついた製品もあります。
製品の品質を保つために配合されている成分です。配合量も少ないので、気にする部分は防腐剤くらいです。
成分のどこを見れば良いのか?(初心者向け)
成分表は多い順に記載、1%以下は順不同で記載と説明してきました。
基本的な考え方として化粧品は、上で紹介した以下3つで構成されています。
- ベース成分(70%~90%)
- 有用成分(1%~10%)
- その他成分
この中でベース成分は製品ごとに効果に大きく差が出ることは少ないので、有用成分を見ていくこととなります。
化粧品表示のルールから考えるとベース成分の次に目的の有用成分が来ていれば、しっかりと効果がある可能性が高くなります。
①水、グリセリン、ナイアシンアミド、クエン酸、パラベン、香料
②水、グリセリン、クエン酸、パラベン、ナイアシンアミド、香料
※初心者が良いものを選ぶ可能性が上がる。
ナイアシンアミド以降が全て1%以下の可能性もありますが、1%よりも多く配合しているのであれば必ず前に書く必要があるからです。
上級者は成分名ごとの配合上限を記憶しており、どこからが1%の成分か分かる可能性があります。例:上限が1%の成分より後ろの成分は全て1%以下となる
メーカー公式説明の数値は信用する
もう一つ有用成分の配合量について判断する方法があります。
メーカー公式の広告やパッケージに記載されている●●●を10%配合!などの表現です。
広告やパッケージには嘘を表記すると重大な罰則があるため、正しい情報が記載されています。
しかし保湿成分10種配合・20種配合といった表現は、少量の配合でも20種配合すれば記載できるため、信用度は低い可能性があります。
グラフや試験結果に数値があるものも、信用度が高い製品といえます。
1%以下は不要な成分か?
その他成分である、防腐・酸化防止剤は必要量配合されていますので、有用成分について考えていきます。
1%以下は順不同であり、極めて微量の配合量と判断がつかないと説明しました。
実際にイメージを良くするために有用成分が0.0001%しか配合されていない化粧品もあります。
初心者の方は安くて内容量が多い製品は、避けた方が無難です。
開発しているとこんなことがあります。
- 配合量を0.1%増やすとクリームが分離してしまった。
- 有用成分を2%入れると刺激が強く赤みがでた。
- 少なくても効果がある成分。
有用成分は1%以下でも効果がある成分も多く存在しますので、実際に手に取って試すしかありません。
レビューなどの口コミも重要な情報になってきます。
肌状態、季節、個人のアレルギーも考慮し、自分にあう化粧品を常に探し続ける必要があります。
粗悪な化粧品は成分表から判断できますので、知識は必要です。
有用成分は多い方が良い
成分は多いと刺激になってしまう可能性があると説明しましたが、それでも多い方が良いことが多いです。
化粧品は医薬品と違い、重大な肌トラブルになるような製品はほとんどありません。
また、人によって効果のある成分量は異なるため、配合量が多いものを選ぶことが1番の近道です。
刺激を感じた場合はすぐに使用をやめましょう。
・効果が感じられない場合
➡3週間使う➡塗る量を増やす➡別の製品を使う。
・刺激がでた場合
➡塗る量を減らす➡別の製品を使う。
※異常を感じた場合は、すぐに皮膚科に相談してください。
繰り返していると自分にあった製品が分かってきます。考えて選ぶことが大事です。
防腐剤や酸化防止剤は悪者?
途中の説明で、防腐剤や酸化防止剤がその他成分で含まれていると説明してきました。
防腐剤はよく悪者にされていますが、商品を開発するには必要な成分です。
「必要だが肌には少ない方が良い」
特にパラベンは敏感肌の方には刺激になる可能性があるため、フェノキシエタノールを代わりに使用している製品をおすすめします。
パラベンフリーと書いてある製品を選べば大丈夫です。
防腐剤について:化粧品の品質保持は重要
ではなぜ刺激となるような防腐剤は配合されているのか?
化粧品を容器から取りだして使うとき、指先や手のひらなどの皮膚が接触します。
また空気に触れることによりさまざまな雑菌が化粧品と接触することになり、水分や油分が多い化粧品にカビや雑菌が繁殖することもあります。
防腐剤は品質保持のために配合されており、実際に配合されている成分は人体に対する毒性が低く、ある程度の安全が確認されたものが採用されています。
まとめ
化粧品全成分表示の読み方を説明してきましたが、全成分表示を見るだけで全てが分かるわけではありません。
化粧品はまだまだ新しい原料の開発、その組み合わせが日々研究されており、常に進化しています。
全成分表示で分かるのは、成分種類と組み合わせだけで、実際に何%その成分が配合されているかは作っているメーカーしか知り得ない情報です。
成分によっては0.1%でも効果があるものや、1%でも効果が無いものなど、目的によって必要な配合率は異なります。
今回紹介した全成分表示の読み方、化粧品の選び方は、間違った選択をしないためのポイントとなります。
今後も様々な目線から化粧品の選び方を解説していきます。
難しい言葉も出てくる場合もありますが、自分に合った化粧品を選べるように、一緒に勉強してみませんか。