シクロペンタシロキサンは化粧品に必要なのか?【安全性と効果を徹底解説!】
シクロペンタシロキサンとは、シリコーンオイルの一種で、無色無臭の液体です。
日焼け止めやファンデーション、ヘアケア製品などに配合されています。
シクロペンタシロキサンの特徴や化粧品としての役割、安全性について詳しく解説します。
シクロペンタシロキサン配合の化粧品を使っている方や、これから使おうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
先に結論
スキンケア品に配合される場合
- 肌の表面に薄膜を形成し、水分蒸発を防ぐ。
- バリア機能で肌を外部刺激から保護する。
- べたつきを防ぎ、伸びをよくします。
- 撥水性があり、日焼け止めなどの性能を長時間キープする。
さらっとした使用感で、嫌なべたつきを抑えます。
ヘアケア品に配合される場合
- キューティクルを整え、ツヤを与える。
- 水分を閉じこめて、パサつきを抑える。
- 熱や紫外線から髪を保護し、退色や乾燥を防ぐ。
- 髪の絡まりをほぐし、重さを与えずサラサラにする。
- 静電気を抑え、 まとまりのある髪に仕上げる。
パサつく髪質の方におすすめです。さらさらでまとまる髪になります。
シクロペンタシロキサンとは?
シクロペンタシロキサンとは、5量体の環状ポリシロキサンという化合物です。
ポリシロキサンとは、ケイ素(元素記号:Si)と酸素(元素記号:O)を骨格とする化合物で、Si-O-Si結合(シロキサン結合)を持つものの総称です。
シクロペンタシロキサンは、その中でも環状の構造をしているため、環状シリコーン油とも呼ばれます。シクロペンタシロキサンの物性としては、以下のような特徴があります。
- 状態:液体
- 粘度:4.0 mm2/s(25℃)
- 比重:0.956-0.960(25℃)
- 屈折率:1.396-1.400(25℃)
これらの値から、シクロペンタシロキサンは低粘度で軽い液体であり、光をよく通す性質を持っています。
シクロペンタシロキサンの配合目的と効果
シクロペンタシロキサンは、化粧品に配合される場合は、主に以下の2つの目的で使われます。
- 油性基剤
- 溶剤
油性基剤としてのシクロペンタシロキサン
油性基剤とは、化粧品の主成分となる油のことで、他の成分を溶かしたり、感触やテクスチャーを調整したりする役割を果たします。
シクロペンタシロキサンは、低粘度で揮発性の高い油であるため、油性基剤として使用されると、以下のような効果が期待できます。
- さらっとした感触を付与する
- 他の成分との相溶性や展延性を高める
- 揮発することで皮膚に薄い皮膜を形成する
これらの効果により、シクロペンタシロキサンは、メイクアップ製品、日焼け止め製品、化粧下地製品、コンシーラー製品、スキンケア製品、アウトバストリートメント製品などに汎用されています。
溶剤としてのシクロペンタシロキサン
溶剤とは、他の成分を溶かすために使われる液体のことで、化粧品においては、水やエタノールなどが一般的です。シクロペンタシロキサンは、特にシリコーン系の皮膜形成成分を溶かす溶剤として使用されます。
シクロペンタシロキサンが揮発することによって形成された皮膜は、撥水性や潤滑性を持つため、以下のような効果が期待できます。
- 耐水性を高めて汗や水、皮脂で落ちにくくする
- 撥水性を高めて化粧崩れを防ぐ
- なめらかさや伸びを良くする
- 感触や櫛通りを良くするとともにツヤを付与する
これらの効果により、シクロペンタシロキサンは、日焼け止め製品、メイクアップ製品、ヘアケア製品などに使用されています。
スキンケアにおけるシクロペンタシロキサンの役割とは
テクスチャー改良
化粧品のテクスチャーを滑らかにし、伸びをよくします。例えば、乳液やクリームなどのテクスチャーを滑らかにすることで、肌にムラなく伸び、塗りやすくなります。
また、シクロペンタシロキサンは、揮発性が高いため、肌に塗布するとすぐに揮発し、サラッとした使用感を与えます。これは、夏場など汗をかきやすい時期や、オイリー肌の方にとって特に嬉しい特徴です。
保湿とバリア効果
シクロペンタシロキサンは、肌表面に薄い保護膜を形成し、水分蒸発を防ぎます。これは、乾燥肌の方や、冬場など乾燥しやすい時期において、肌の潤いを保つのに役立ちます。
シクロペンタシロキサンの保護膜は、外部刺激から肌を守る効果もあります。ほこりや花粉などの刺激から肌を守るのに役立ちます。
ツヤ出し効果
シクロペンタシロキサンは、肌にツヤを与え、光沢を出す効果があります。
光を反射することで、肌を明るくツヤがある状態にします。
ヘアケアにおけるシクロペンタシロキサンの役割とは
ツヤ・輝きを与える
シクロペンタシロキサンは、髪の表面を滑らかにコーティングし、光を反射することで、髪にツヤや輝きを与えます。
ダメージや乾燥でパサついた髪でも、うるおいのあるツヤ髪に仕上げることができます。
髪を保護する
シクロペンタシロキサンは、髪の表面を薄い膜で覆うことで、外部の刺激から髪を保護します。
熱や紫外線、摩擦などによるダメージから髪を守り、キューティクルのめくれ上がりを抑えます。
髪のまとまりを良くする
シクロペンタシロキサンは、髪の表面の摩擦を減らし、絡まりや枝毛を防ぎます。
そのため、髪を滑らかにし、指通りが良くなり、髪がまとまりやすくなります。
コンディショニング効果
シクロペンタシロキサンは、髪の内部に浸透し、水分を保持する効果があります。
そのため、髪を柔らかくし、しっとりとした質感に仕上げることができます。
軽い使用感
シクロペンタシロキサンは、揮発性の高い油性シリコーンであるため、べたつきにくく、軽い使用感です。
そのため、オイリーヘアの方でも使いやすいヘアケア化粧品です。
シクロペンタシロキサンの安全性について
シクロペンタシロキサンは、化粧品に配合される成分としては、比較的古くから使われており、その安全性については、様々な研究や評価が行われてきました。 しかし、その一方で、シクロペンタシロキサンに関する懸念や疑問も多くあります。
- 皮膚への刺激性
- 内分泌かく乱作用
シクロペンタシロキサンの皮膚への刺激性
シクロペンタシロキサンは、皮膚に直接塗布されることが多い成分であるため、皮膚への刺激性についても気になるところです。 シクロペンタシロキサンは、一般的には低刺激性であるとされており、皮膚のバリア機能を損なったり、アレルギー反応を引き起こしたりすることはほとんどありません 。
シクロペンタシロキサンは、他の成分と混ざることで、その刺激性を増したり、減らしたりすることがあります。 例えば、シクロペンタシロキサンとアルコールを混ぜると、アルコールの揮発性を高めることで、皮膚の乾燥や刺激を強めることがあります。
逆に、シクロペンタシロキサンとグリセリンを混ぜると、グリセリンの保湿効果を高めることで、皮膚の潤いや柔軟性を向上させることがあります。
シクロペンタシロキサンの皮膚への刺激性は、個人差や使用量や使用頻度、他の成分との相性などによって変わることがあります。 自分の肌に合うかどうかは、パッチテストや小さな部分から試すなどして、様子を見ることが大切です。
シクロペンタシロキサンの内分泌かく乱作用
シクロペンタシロキサンは、内分泌かく乱作用という、ホルモンの働きを乱すという懸念があります。 内分泌かく乱作用とは、化学物質がホルモンの受容体に結合したり、ホルモンの分泌や代謝を妨げたりすることで、ホルモンの正常な機能を阻害することです。
シクロペンタシロキサンの内分泌かく乱作用については、動物実験や細胞実験などで示されたデータがありますが、人間に対する影響については、まだ十分に解明されていません。また、シクロペンタシロキサンは、皮膚からの吸収率が低く、体内に蓄積されにくいという特徴があります。このことから、シクロペンタシロキサンの内分泌かく乱作用は、実際にはそれほど強くないという見方もあります。
シクロペンタシロキサンのまとめ
シクロペンタシロキサンは、化粧品に配合されることが多い環状シリコーン油で、テクスチャーや感触を改良したり、他の成分を溶かしたりする目的で使われます。
低刺激性であるとされていますが、皮膚の呼吸を妨げたり、毛穴を詰まらせたりする可能性があります。
シクロペンタシロキサンの安全性については、個人差や使用量や使用頻度、他の成分との相性などによって変わることがあります。
自分の肌に合うかどうかは、パッチテストや小さな部分から試すなどして、様子を見ることが大切です。
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