【開発者が解説】シャンプーとトリートメントの選び方3ステップ

PR

あなたがシャンプーを選ぶ基準はなんですか?

「成分や効果」「値段」「容器のデザイン」など様々な基準があると思います。

成分と効果でシャンプー・トリートメントを選ぶ方法について、化粧品開発者の目線で解説します。

 

間違った使い方をしたり、自分にあわないシャンプーを使うと頭皮トラブルにも繋がります。

自分の頭皮状態にあうシャンプーを、選べるようになりましょう。

失敗しないシャンプーの選び方3ステップ!

シャンプーは以下の3ステップで選びましょう。

  1. 頭皮の状態を確認
  2. 悩みを改善する成分を選ぶ
  3. 避けるべき成分を確認

この3ステップを覚えておくだけで、シャンプー選びに失敗が無くなります。

 

① 頭皮の状態にあわせて洗浄成分を選ぶ

頭皮状態には以下の3タイプがありますので、まずは自分の頭皮状態を確認しましょう。

頭皮状態の判別方法
  • 乾燥頭皮:フケがでる、かさつく
  • 脂性頭皮:夕方にはべたべたする
  • 敏感頭皮:赤みやかゆみがある
    スタイリング剤やヘアオイルを使う時は脂性頭皮になると考えてください
例:フケがでる乾燥頭皮だが、平日はヘアオイルを使っている。
平日は脂性頭皮用休日は乾燥頭皮用のシャンプーを使い分けると良い。
 

洗浄成分は汚れをしっかりと落とし、頭皮に負担をかけないものを選ぶ必要があります。

それぞれ選ぶべき成分を解説していきます。

 

乾燥頭皮

乾燥が気になる人は「アミノ酸系シャンプー」を選びましょう。

アミノ酸系シャンプーの洗浄成分は、髪や頭皮の成分と非常に似ています。

必要な油分を残しながら、汚れだけを優しく洗い落とすため、頭皮への負担が少なく、乾燥やフケなどのトラブルを予防できます。

 

アミノ酸系シャンプーの見分け方
アミノ酸系のシャンプーは以下の成分が含まれています。
ココイルメチルタウリンNa
ココイルグルタミン酸Na
ラウロイルメチルアラニンNa
ラウロイルサルコシンNa
 
「ココイル~」「ラウロイル~」といった名前で始まります。
「ラウリル~」「ラウレス~」といった成分よりも、裏面の成分表示で先に書かれているものがアミノ酸系シャンプーです。

1番のおすすめは「ココイルメチルタウリンNa」が配合されているシャンプーです。

 

成分表示のルールについてはこちらで解説

自分で表示が読めるようになれば上級者です!
 

脂性頭皮

脂性頭皮の人もアミノ酸系シャンプーを選んでください。

脂性頭皮の人は油が多いため、洗浄成分が多めに配合されているシャンプーを選ぶ必要があります。

 

しかし、洗浄成分の配合量はシャンプーを開発した会社にしかわかりません。

実際に使用してみて、泡立ちが足りない場合は配合量が少なく、汚れを全て落とせていません。

別のシャンプーに変更するか、2度洗いでしっかりと洗浄してください。

アミノ酸系シャンプーであれば2度洗いでも刺激はほとんどありません。

 

アミノ酸系シャンプーの見分け方
アミノ酸系のシャンプーは以下の成分が含まれています。
ココイルメチルタウリンNa
ココイルグルタミン酸Na
ラウロイルメチルアラニンNa
ラウロイルサルコシンNa
 
「ココイル~」「ラウロイル~」といった名前で始まります。
「ラウリル~」「ラウレス~」といった成分よりも、裏面の成分表示で先に書かれているものがアミノ酸系シャンプーです。

1番のおすすめは「ココイルメチルタウリンNa」が配合されているシャンプーです。

 

成分表示のルールについてはこちらで解説

自分で表示が読めるようになると上級者です!
 

敏感頭皮

敏感頭皮の人はベタイン系シャンプーを選んでください。

アミノ酸系シャンプーよりも刺激が少なく、頭皮を優しく洗浄できます。

単体では洗浄力が足りないため、他の洗浄成分と組み合わされることが多いですが、アミノ酸系の成分と組み合わされているものを選んでください。

ベタイン系シャンプーの見分け方
ベタイン系のシャンプーは以下の成分が含まれています。
コカミドプロピルベタイン
・ラウラミドプロピルベタイン
 
「~ベタイン」といった名前の成分です。

「ベタイン系」と「アミノ酸系」の組み合わせが低刺激で洗浄力もありおすすめです。

 

ラウレス硫酸Naなどの洗浄力が強い成分は、赤みやかゆみがひどくなる可能性があるため、絶対に使用しないでください。

特に男性の方が使っていることが多いので、一度成分を確認してみましょう。

 

② 髪悩みを解決する成分を選ぶ

開発者の目線で、代表的な以下の髪悩みについておすすめ成分を紹介します。

  • 乾燥、パサつき
  • ダメージ毛(切れ毛、枝毛)
  • うねり、くせ毛

安全性が高く、他の成分の邪魔をしないものを紹介しますので、複数配合しているものでも大丈夫です。

 

乾燥、パサつきの対策成分

  • 【セラミド】
    髪のバリア機能をサポートし、水分保持力を高めます。キューティクルを整え、外部のダメージから髪を守る働きもあります。
  • 【植物オイル(ホホバ油などの〇〇〇油)】
    植物オイルには、水分の蒸発を防ぐ効果があります。指通りを滑らかにし、パサついた髪をまとまりやすくする効果もあります。

これらの成分は髪の水分を保持し、乾燥やパサつきを予防することができます。

迷ったら、「しっとりタイプ」や「モイストタイプ」といった商品を購入してください。

特にセラミドが入っているシャンプーは保湿効果が高くおすすめです。

 

髪ダメージの対策成分

  • 【加水分解ケラチン】【加水分解コラーゲン】
    髪内部のケラチン・コラーゲン不足を補い、髪を健康的な状態に戻す効果があります。加水分解といった成分を細かくする方法で作られており、髪内部に浸透しやすい成分です。
  • 【γ-ドコサラクトン】※通称「エルカラクトン」
    本来は髪のダメージとなってしまうドライヤーの熱によって、髪と結合し優しくコーティングすることでキューティクルを保護します。洗い流しても流れない成分なので効果が長持ちします。

引用元:日本精花

髪のダメージは主に紫外線やドライヤーによる熱でキューティクルが傷つくことが原因です。

髪内部に栄養を補給する「加水分解ケラチン」とキューティクルを守る「γ-ドコサラクトン」が配合されているものがおすすめです。

特に「γ-ドコサラクトン」は効果が長続きするため、1日中ダメージケアができます。

 

うねり、くせ毛の対策成分

  • 【γ-ドコサラクトン】
    ➡熱を加えることで髪に結合し、キューティクルを保護する。効果が長続きすることが特徴で、1日中うねりを抑えることができます。

うねりは髪内部の水分と脂質のバランスが乱れることで発生します。

そのためキューティクルが開いていると、水分の出入りが多くなり、うねりが強くなってしまいます。

「γ-ドコサラクトン」はドライヤーの熱によって髪に結合し、キューティクルを保護することで水分の出入りを抑えてうねりを改善します。

γ-ドコサラクトンは非常に優秀な成分なので、どんな人にもオススメの成分です。

 

③ シャンプー選びで避けるべき成分

選ぶべき成分を紹介してきましたが、シャンプー選びにおいて避けるべき成分が3つあります。

特に敏感肌の人は必ず避けて下さい。

  1. 硫酸系の洗浄成分
    ➡「ラウレス硫酸」「ラウリル硫酸」といった成分です。安くて洗浄力が高いのですが、刺激が強い成分です。
  2. 合成着色料
    ➡「黄色〇号」など。配合する必要が無く、使用者にはデメリットしかありません。見た目を良くするためだけに配合されています。
  3. パラベン
    ➡他にも刺激性の少ない防腐剤があるので、避けられるなら避けたいです。安全性の高い「フェノキシエタノール」が使われることが多いです。

 

パッケージでの表記
  1. サルフェートフリー
  2. 合成着色料フリー
  3. パラベンフリー

 

使う人のことを考えて開発すると、これらの成分は自然とフリーになりますね。

 

迷ったらアミノ酸系シャンプーを選ぶ

初心者

慣れるまでは成分を見るだけで、自分に最適なシャンプーを見つけることは難しいと思います。

迷ったらアミノ酸系シャンプーと書かれているものを選びましょう。

例:髪の乾燥・パサつきが気になる人
→「アミノ酸系シャンプー」+「しっとりタイプ・モイストタイプ」と書いてあるもの。

アミノ酸系シャンプーであれば大きな失敗はありませんので、いろいろ試してみてください。

 

プロが実際に使っているものを紹介

開発者の目線で「成分」から、実際に私も使用しているオススメシャンプーを紹介します。

2つ紹介しますが、どちらもドラッグストアで販売されているシャンプー・トリートメントで、簡単に手には入ります。

スタイリング剤を使った日は「脂性髪向け」を使い、休みの日は「乾燥髪向け」を使い分けています。

 

さっぱり洗う「脂性髪」向け

泡立ちがよく、サラサラ髪になります。

アミノ酸系のシャンプーであり、その中でも特に洗浄力が高く、刺激が少ない「ココイルメチルタウリンタウリンNa」という洗浄成分が使用されています。

ダメージ補修成分が豊富なので、美しい髪を育てていくには最適です。

 

 

詳しくはこちらのページで解説しています

 

しっとりまとめる「乾燥髪」向け

泡立ちがよく、ツヤがある髪になります。

アミノ酸系のシャンプーであり、ベタイン系の活性剤も使用されています。

しっとりまとまる髪を目指す人や、洗浄力を抑えて優しく頭皮ケアしたい人向けです。

 

 

トリートメントの選び方と正しい使い方

トリートメントはシャンプーにあわせて選ぶ

トリートメントは基本的にはシャンプーと同じシリーズを選んでください。

セットで使うことを想定して開発されているため、効果を最大限に発揮するためにはシリーズ使いが良いです。

刺激を感じた場合は使用をやめて下さい。

セットで使用して効果を感じない場合は、別のアミノ酸系シャンプーを探しましょう。

 

トリートメントの正しい使い方

トリートメントは選び方よりも正しく使うことが重要です。

理由として、カチオン界面活性剤というものが含まれており、肌への刺激が非常に強いからです。

トリートメントの使い方
  1. 毛先を中心につける
  2. 20秒程なじませる
  3. しっかりと洗い流す※超重要ポイント

 

トリートメントはしっかりと洗い流すことが非常に重要で、頭皮にトリートメント成分が残ると毛穴つまりや刺激の原因となってしまいます。

髪の量や長さによって洗い流す時間は変わってきますが、以下を目安にしてください。

  • 「1分以上」洗い流す
  • 「3周」洗い流す

 

ノンシリコンシャンプーは必要無い

ノンシリコンシャンプーといったシャンプーがあります。

シリコーンを使用していないシャンプー・トリートメントですが、私はおすすめしません。

シリコーンには様々なメリットがあり、ヘアケアには欠かせない成分であると考えます。

シリコーンのメリット
  • ツヤを出す
  • 髪の絡まりを防止
  • 髪をコーティングし、外部刺激から守る
  • 静電気の防止
 

 

デメリットは毛穴に詰まる可能性ですが、毎日正しくシャンプーとトリートメントをしていれば問題ありません。

トリートメントをしっかりと洗い流すことができていれば、デメリットとも言えない程の影響です。

 

まとめ

シャンプーとトリートメントは毎日の髪・頭皮汚れをリセットし、美しい髪を育てるために重要です。

 

正しくシャンプーとトリートメントをつかうことで、ハリとツヤのある美しい髪を作れます。

しかし、間違った使い方や自分の髪質にあわないのシャンプーの使用は、頭皮トラブルの原因となります。

頭皮や髪質にあわせてシャンプーを選び、季節や環境によっても使い分けるのも良いでしょう。

 

必ず守ってほしいことは「毎日続けること」と「トリートメントの洗浄時間」です。

毎日の積み重ねが、将来の美しい髪へとつながります。

 

スキンケアの選び方はこちらで解説